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高森明勅
2015.10.23 04:28

ミス日本ファイナリストたちへの講義

やや以前から、ミス日本コンテストの最終候補者(ファイナリスト)
たちにレクチャーしている。

コンテスト事務局から
日本を代表する女性として知っておくべき“日本”を教えて欲しい」
との依頼だった。

最初、依頼を受けた時、「ファイナリストは僅か十数名。

そんな少数の為にわざわざお越し頂けますか」とおっしゃる。

いやいや、光栄です。万難を排して参ります」と答えた。

恐らく、かなり鼻の下が伸びていたのではないか。

毎年、さすがに数千人から選ばれた女性たちだけあって、
単に美形であるだけでなく、姿勢の良さは勿論、聴講態度も
積極的で立派だ。

今年のファイナリストたちの感想文の一部から。

私は日本人でありながら日本の魅力をほとんど知らずに
過ごしてい
たことを痛感しました。

少しでも新幹線が遅れたり宅配便にトラブルが起きると
とても残念
な気持ちになっていました。

今回、先生の講義を受けてそんな自分にショックを受けました。

当たり前ではなく、感謝しなければならないし、
それを日本人として誇りに思わなければならないと気付きました」

ここまで日本の魅力に焦点を絞ったお話を伺うのは
初めてだったの
で、高森先生の講義を大変新鮮に感じ、
興味深く伺いました。

しかし、私が抱いた新鮮さも、日本人の日本に対する評価が
非常に低いことの現れなのかもしれな
い、と思うと、
日本の魅力とそれらを裏打ちする日本の歴史について
今学ばせてい
ただけたことは、私にとって大変有意義な経験と
なりました。

日本人の価値観のルーツや日本語の成り立ちを探る上で、
神話は重要な手がかりとなる、というお話は大変興味深いものでした。

その神話が長い時を越えてこうして現代の私たちに
語り継がれてい
るということに感銘を受けました」

あっという間の2時間でした。日本人として生まれ、
日本で生活しているというのに、自分の住んでいる国について、
これほど何も知らなかったのかと思い知らされ、
非常に濃い時間を過ごすことができました。

2000年近く積み重ねてきた歴史というのが、
こうした素晴らしい日本を作り上げている土台となっていることを
知ることができ、日本人で良かった、と思わせてくれる時間でした。

そしてその長い歳月をかけて培った“日本語”
の素晴らしさも
再認識できました」

先生がおっしゃった日本人は癒しの天才というのはとても
共感でき
ました。

…日本人の強みは日常にあると高森先生に教えていただいたので
常日頃から日常に隠れ
ている日本の魅力を探していきたいと
思いました」

私は13年間海外に住んでいましたが、
やはり日本では当たり前に思われている、ちょっとしたことに
感銘を受けます。

その1つが日本社会の効率の高さです。

例えば、アメリカのスーパーのレジの遅さには驚き、
常にイライラしたのを覚えています。

おそらく日本では許されないと思います。

また、日本の交通機関が如何にきれいで、安全で、オンタイムかに、
最近は日々感謝しています。

そして、人々が皆列に並んで順番を待つという習慣は
本当に素晴らしいと思
います。

中国ではあり得ない光景でした。

先生が日本語とは私たちにとってご先祖様から受け継いだ
最大のプ
レゼントだと仰っていたのがとても印象的でした」

私はブラジルに中学1年生のころから今年の4月まで
6年間住んで
いたのですが、それまで日本の便利さを当たり前として
過ごしていた私にとってブ
ラジルと日本の差は本当に
大きなものでした。

毎年日本に一時帰国する度に自動販売機やトイレなど
本当に様々な
ことで驚かされ、日本の良いところをたくさん
探しているうちに日本のことが
大好きになりました!

…先生の講義をきいて…私は自己紹介の時にも
『日本の良さを海外に伝え、
また海外の良さを
日本に取り込んでいけるようなことがしたい』
と言いましたが、その思いがより一層強くなりました」

先生のお話は、すべてそれぞれ独立しているように思えて、
最終的に一本の串が刺さっていることにとても驚きました。

日本の信頼社会。

それを生み出した歴史。

プレゼントは“我々が生きている世界”。

その国民性は神話からきている。

神話から分かる日本人の不屈の精神。

全て一本でつながっているので、覚えやすく、
分かりやすくて大変勉強になりました」

― 来年1月には、彼女たちの中から
2016年度ミス日本が選ばれる。


高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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